●フルアソシエイティブ方式とは
主記憶装置のデータをキャッシュメモリ内の空いている領域のどこにでも保管出来る方式。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期
フルアソシエイティブ方式の説明
フルアソシエイティブ方式とは、主記憶とキャッシュメモリの間でデータを格納する位置を対応付ける方式の1つで、主記憶装置のデータをキャッシュメモリ内の空いている領域のどこにでも保管出来る方式。
要するに、キャッシュメモリに空いているスペースがあれば、どこにデータを保管してもいいよー、というやり方です。
キャッシュメモリと主記憶装置の関係とは?
軽くキャッシュメモリと主記憶装置の関係性について復習しましょう。
そんなの知ってるよ!って方は飛ばしてください。
CPUが働くとき、まずHDDやUSB等の補助記憶装置にあるデータを主記憶装置に渡します。そして、主記憶装置がCPUに必要なデータを渡すことで、CPUは働くことが出来ます。
CPUと補助記憶装置の間に主記憶装置が挟まっているのは、補助記憶装置の処理速度がCPUの処理速度の速さについてこれないからです。なので、補助記憶装置は処理速度が速い主記憶装置に必要なデータを渡しておいて、CPUと主記憶装置がデータのやり取りをするようにしていました。
しかし、CPUの性能が良くなるにつれて、主記憶装置でもCPUの処理速度に追いつかなくなってきました。そこで登場するのが、キャッシュメモリです。
キャッシュメモリは主記憶装置より処理速度が速いので、CPUとのデータのやり取りもスムーズに行えます。しかし、主記憶装置より容量は小さいので、よくやり取りするデータしか保管しません。
フルアソシエイティブ方式とは?
主記憶とキャッシュメモリの間でデータを格納する位置を対応付ける方式の1つで、主記憶装置のデータをキャッシュメモリ内の空いている領域のどこにでも保管出来る方式です。
例えば、下図のように、主記憶装置のブロック番号4に格納されているデータDをキャッシュメモリに保管するとき、キャッシュメモリの空いているブロックを探して、そこに保管しちゃおうという感じです。
空いている領域があれば保管できるので、余すことなくキャッシュメモリの容量は使えますが、毎回空いている領域を探さないといけないので、速度は落ちます。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和4年度春期問10
キャッシュメモリのフルアソシエイティブ方式に関する記述として、適切なものはどれか。
ア キャッシュメモリの各ブロックに主記憶のセットが固定されている。
イ キャッシュメモリの各ブロックに主記憶のブロックが固定されている。
ウ 主記憶の特定の1ブロックに専用のキャッシュメモリが割り当てられる。
エ 任意のキャッシュメモリのブロックを主記憶のどの部分にも割り当てられる。
正解は”エ”
任意のキャッシュメモリのブロックに主記憶のデータを保管するのがフルアソシエイティブ方式なので、”エ”が正解です。